本田 祐樹(ほんだ ゆうき)

本田祐樹
1991年9月11日生まれ。東京都江戸川区出身。日本大学経済学部卒業。大学在学中の2014年12月、株式会社ストローを共同創業。
スポーツイベントの企画・運営を軸に、ウェブメディア Andyou!Letter を立ち上げるなど、スポーツと情報発信を掛け合わせた事業を展開してきた。

2018年には、ニュースポーツを中心に多様な競技を体験・発信する V-SPORTS PROJECT を始動。
一時プロジェクト運営から離れる期間を経て、2024年より ThriveSports と名称を改め、活動を再開している。

同年からは、杉並区立中学校において、特定の競技に限定せずシーズンごとに種目を変えて行う マルチスポーツクラブ の部活動コーディネーターとしても活動。部活動の新しいあり方づくりに携わっている。

2025年には、ニュースポーツ YOU.FO の国内普及を担う団体として一般社団法人日本YOU.FO協会に理事として参画。
あわせて、杉並区公立中学校における部活動の地域移行などを支援する組織として、特定非営利活動法人杉並倶楽部を設立した。

現在は、スポーツを通じた地域づくりや、世代を超えたコミュニティ形成に取り組んでいる。


スポーツは誰のものか 本田祐樹が抱き続けた問い

スポーツは、アスリートだけのものではない。
フルマラソンを2時間少しで走る人もいれば、健康のために5時間かけて完走する人もいる。同じ競技でも、向き合い方や目的は違っていい。

スタジアムで日本代表に声援を送るサポーターが、リフティングを完璧にできなくてもいい。
本田祐樹の原点にあるのは、スポーツが一部の上手な人だけのものになってしまっているのではないか、という違和感だった。


野球に夢中だった少年が経験した挫折

本田は子どもの頃から野球が好きだった。
東京ドームでジャイアンツを応援し、グラウンドでは白球を追い続けた。

遊びだった野球は、やがて競技へと変わり、プロ野球選手になるという明確な目標を持つようになる。しかし中学に進むと、現実は大きく変わった。

ジュニア年代では、体格差が努力や技術を超えてしまうことがある。
160センチに満たなかった本田と、180センチを超える同級生とでは、球速も打球の飛距離も違った。

勝てない悔しさ。
自信を失い、好きだった野球が楽しめなくなっていく感覚。

中学2年で、本田は野球を辞める決断をした。


アメリカ留学で知ったスポーツの本当の価値

高校では卓球部に所属し、大学ではスキューバダイビングなど体を動かすことは続けていた。
それでも、心の奥には何者にもなれていないという感覚が残っていた。

周囲が就職活動を始める中で、本田は流れに身を任せることに違和感を覚える。
一度立ち止まり、自分の人生を考え直したい。そうして選んだのが、アメリカ留学だった。

留学先はボストン。
上原浩治がボストン・レッドソックスで活躍していた時代、時間があればフェンウェイ・パークでMLBを観戦した。

アメリカでは、スポーツが生活の一部として根付いていた。
トップレベルの競技だけでなく、年齢や経験に関係なく人々が当たり前のように体を動かし、楽しんでいる。その光景は、日本で抱いていたスポーツ観を大きく揺さぶった。


起業という選択 ストロー誕生の背景

帰国後、本田はビジネススクールに通い、どのように生きていくのかを模索する。
そこで出会ったのが、同じくスポーツで挫折を経験していた酒井だった。

トップになれなかったからこそ見える価値がある。
競技力や結果だけでは測れないスポーツの魅力を伝えたい。

その思いから株式会社ストローを起業し、スポーツやアクティビティの楽しい体験を発信するメディア Anyou! Letter を立ち上げるとともに、オフィスを活用して実施できるスポーツプログラムによる企業向け健康サポートや、住宅展示場などでのファミリー向けイベントの企画・運営も始めた。


ThriveSportsとは何か 社会人のためのスポーツコミュニティ

活動はやがて、社会人スポーツコミュニティ ThriveSports へと発展する。
ThriveSportsは、スポーツを通じて人々の生活を豊かにすることを目的としたコミュニティだ。

大学生から社会人まで約100人が所属し、競技志向からエンジョイ志向まで、多様な関わり方が認められている。
家庭や職場とは異なるサードコミュニティとして、安心して自分らしくいられる場所。
大人になってから新しいスポーツに挑戦し、仲間と出会える場でもある。


ニュースポーツが広げる可能性と多様な選択肢

ThriveSportsで行われているのは、いわゆるメジャースポーツだけではない。
モルック、コーフボール、YOU.FO、ベースボール5。

さらに、ウィッフルボール、アルティメット、クリケット、ピックルボールといった、年齢や経験を問わず参加しやすい競技が揃っている。

ウィッフルボールは体格差の影響が少なく、野球の楽しさを誰でも味わえる。

アルティメットは自己審判制により、フェアプレーや対話が重視される。

クリケットはゴム製ボールを使用することで安全にプレーでき、毎球の駆け引きや守備配置など戦術性が高い。

ピックルボールは初めてでもラリーが続きやすく、再び体を動かすきっかけになる。

これらのニュースポーツは、勝敗以上に人とのつながりや心身の健康を育む存在となっている。


YOU.FOというゼロからの挑戦 日本普及と世界大会開催まで

本田は、オランダ発祥の新しいスポーツ YOU.FO の挑戦にも関わっている。
オランダに面白い競技があることを知った仲間たちが、競技団体も環境もない日本でゼロから普及活動をスタートさせた。

やがて運営法人として日本YOU.FO協会を立ち上げ、本田も理事として参画。
体験会の開催、ルール整備、仲間集めを積み重ね、ついにはYOU.FOワールドカップを日本で開催するまでに至った。

誰も知らなかった競技が、世界とつながる舞台になる。
この挑戦は、本田が信じるスポーツの可能性を象徴している。


スポーツで社会課題に向き合う 本田祐樹の現在地

本田の取り組みは、個人の楽しみの場づくりにとどまらない。
不登校児童の増加、少子高齢化、健康寿命の延伸、部活動の民間委託や地域移行といった社会課題にも、スポーツを通じて向き合っている。

学校に行きづらい子どもたちにとって、勝敗を求められない運動の場は安心できる居場所になり得る。
大人にとっては、運動習慣が心身の健康を支え、孤立を防ぐ手段にもなる。

スポーツを学校だけに任せる時代は終わりつつある。
地域と民間が関わることで、多様な選択肢を持つスポーツ環境をつくる。
ThriveSportsは、その実践の場でもある。


プロになれなくても スポーツは人生と社会を支える

不登校児童の増加、少子高齢化、健康寿命の延伸、部活動の地域移行。
複雑に絡み合う社会課題に、魔法の答えはない。

それでも本田祐樹は、スポーツにできることがあると信じている。
勝敗を競わなくてもいい。才能がなくてもいい。
ただ体を動かし、誰かと同じ時間を過ごすことが、人生を支える力になる。

スポーツは競技ではなく、居場所だ。
その信念こそが、本田祐樹の挑戦の原動力である。


ThriveSports(スライブスポーツ) / Andyou Letter

株式会社ストロー