
今井智也(いまい ともや)
大阪府出身。学生時代はサッカー部のゴールキーパーとしてプレーし、大学ではバレーボールサークルに所属。体を動かすことが好きで、多様なスポーツ経験を持つ。2020年にモルックと出会い競技を始める。指導者が少ない環境の中で独学で技術を高め、国内外の大会に出場。2021年に主要大会で上位入賞し、2022年にはチームVistAAへ加入。同年の世界大会ペア戦で4位に入賞するなど実績を重ねる。2025年、日本モルック選手権で準優勝し日本代表入り。教員として働きながら競技活動と普及活動を行っている。
モルックとの出会いと競技の魅力

1998年、大阪に生まれた今井 智也。走る、投げる、飛ぶなど体を動かすのが気持ちいいと、子どもの頃からサッカーやバレーボールなどをプレーしていた。仲間と汗を流す日々。しかし2020年にコロナ禍で活動が制限される中、動画でモルックを知り、三日後に自宅近くで体験会があることを知って参加した。
モルックはフィンランド発祥のスポーツで、木の棒を投げて番号付きのピンを倒し、合計50点を目指す。複数本倒すと倒れた本数が得点になり、一本だけ倒すとその番号がそのまま得点になる。誰でも始められる一方で、終盤は得点調整や狙う位置の判断が必要になる競技だ。
競技としてのモルックは、狙う数字を調整して投げる点ではボウリングに似ており、ピンの散らばり方が次の展開に影響する点ではカーリングに近い。見た目はゆったりとしているが、狙いの精度、判断力、集中力が問われるスポーツである。
初めての体験会で上手いと声をかけられたことがきっかけとなり、今井は毎月のように会場へ通い、競技の理解を深めていった。
教員として働きながら続けた挑戦

大学卒業後、今井は中学校の教師として働き始めた。授業や部活動など多忙な中で平日の練習は難しいが、休日には練習と大会に積極的に参加した。関西だけでなく、名古屋や東京まで遠征を重ね、強い選手と対戦しながら腕を磨いた。
モルックには専任の指導者が少なく、技術を身につけるには自分で学ぶ姿勢が必要だった。他の選手に聞いたり、自分の体と向き合いながら試行錯誤を重ねて技術を向上させた。
競技開始から間もない2021年には、第6回モルック大阪大会で2位、第8回モルック日本大会で8位と結果を残す。ここから競技者としての意識が明確になり、2022年には強豪チームVistAAに加入。同年の世界大会ペア戦では4位に入賞した。
国内での躍進と日本代表入り

2025年、第3回モルックジャパンオープンでは優勝。日本モルック選手権で準優勝を果たし、日本代表に選出された。さらに教員として働きながら、国内最高レベルの大会で結果を残す選手へと成長した。
しかし、モルックはプロスポーツではない。世界大会に出場するためには渡航費や滞在費で約60万円が必要になる。費用面の壁を越えるため、今井はクラウドファンディングを実施し、多くの支援を受けて挑戦を続けた。
ポーランドで開催された世界大会では、フィジカル、安定感、戦術といった要素で世界との違いを肌で感じた。一方で、その差は努力次第で埋められると実感する機会にもなった。
次に目指すものと普及への思い

世界大会で得た経験をもとに、今井は次の代表入りを目指して競技を続ける。同時に、モルックの普及にも関心を持ち始めている。年齢や体力を選ばず楽しめるスポーツとして、学校や地域での体験会を通じて広めていきたいという思いが強い。
競技としての奥深さがありながらも、誰でも挑戦できる間口の広さがモルックの魅力だ。教員としての経験を生かし、子どもたちや初心者に競技の面白さを伝える活動にも意欲を持っている。
教員と競技者 二つの顔を持つ挑戦者
今井智也のスタート地点は、体験会への参加だった。そこから試行錯誤を重ね、国内大会、国際大会へと歩みを進めてきた。教職と競技の両立は簡単ではないが、その積み重ねが今井の強さにつながっている。
挑戦はまだ続く。再び日本代表として世界の舞台に立つこと、そして競技の裾野を広げること。その二つを見据え、今井はこれからも前へ進んでいく。
公式Youtubeチャンネル JMAのモルック大冒険 – Japan Molkky Association official
